パーキンソン病は進行性の病気であり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
仕事を続けるのが難しくなったり、介助が必要になったりすると、「経済的な支援を受けられないか?」と考える方も多いのではないでしょうか。
そんなときに活用できる可能性があるのが、「障害年金」です。
パーキンソン病の症状が一定以上の状態にある方は、障害基礎年金または障害厚生年金の対象になる可能性があります。
この記事では、制度の違いや申請条件、等級の基準、受給額の目安についてわかりやすく解説します。
障害年金の種類と違い
障害年金は、年金制度の加入状況に応じて以下の2つに分かれます。
1. 障害基礎年金
- 国民年金に加入していた人(主に自営業・学生・専業主婦など)が対象
- 受給できる等級は 1級または2級
2. 障害厚生年金
- 厚生年金に加入していた人(主に会社員・公務員など)が対象
- 受給できる等級は 1級〜3級(3級が追加される)
→ どちらも発症時の加入制度に応じて決まります。
受給対象になる条件
パーキンソン病で障害年金を受け取るには、以下の条件を満たす必要があります:
- 初診日の証明ができること
→ 「いつ初めて病院を受診したか」が非常に重要です - 初診日に国民年金または厚生年金に加入していたこと
- 保険料を一定期間きちんと納付していたこと
→ 直近1年間で未納がない、または過去の納付率が3分の2以上 - 日常生活や就労が制限される状態であること
パーキンソン病の等級判断の目安
等級の判断は、日常生活の制限の程度・身体の動きの障害の重さによって総合的に判断されます。
等級 | 状態の目安 |
---|---|
1級 | 常時介助が必要/自力での移動や食事が難しい |
2級 | 日常生活に著しい制限/身の回りのことに一部介助が必要 |
3級(厚生年金のみ) | 軽度の運動障害/通常の仕事に支障がある状態 |
→ 医師の診断書の内容が非常に重要になります。
障害年金の支給額(目安)
※令和6年度基準(変動あり)
障害基礎年金(2級):月額約66,000円(子の加算あり)
障害基礎年金(1級):約82,000円
障害厚生年金(2級):報酬額により変動(例:月額10万〜15万円程度)
→ 加えて、配偶者や子どもの加算も可能です。
申請の流れ
- 初診日の医療機関に「受診状況等証明書」を依頼
- 主治医に「障害年金用の診断書」を作成してもらう
- 年金事務所や社会保険労務士に相談しながら申請書を準備
- 提出から2〜3カ月後に審査結果の通知が届く
※書類の不備や内容によっては不支給になることもあるため、専門家への相談もおすすめです。
よくある質問
Q. すでに働いている場合はもらえない?
→ 就労中でも、仕事に制限があり、障害状態に該当すれば受給可能な場合があります。
Q. 過去にパーキンソン病と診断されていても申請できる?
→ 初診日がはっきりしていれば、過去の分も「さかのぼり請求」ができることもあります。
まとめ|迷ったら早めの相談を
障害年金は、パーキンソン病のように日常生活に支障が出る病気に対して、経済的な支えとなる大切な制度です。
ただし、申請には複雑な手続きや書類が必要なため、不安な場合は年金事務所や社労士に相談するのがおすすめです。
症状が重くなる前に制度を知っておくことが、将来の安心につながります。