パーキンソン病と診断されたとき、医療費や生活費が心配になる方も多いと思います。
働く時間を減らさざるを得なかったり、家族の介護負担が大きくなったりすると、経済的に不安を抱える場面も出てくるかもしれません。
そんなときに覚えておきたいのが、「生活保護」や自治体による「補助金制度」です。
今回は、パーキンソン病の方が活用できる生活保護の仕組みと、関連する生活支援制度についてやさしく解説します。
生活保護とは?
生活保護は、最低限度の生活を保障するための最後のセーフティネットです。
病気や障害、収入減などにより、自力で生活を維持できない人が対象となります。
パーキンソン病により、働けない・医療費がかさむ・家計が苦しいといった状況があれば、生活保護の対象となる可能性があります。
支給される主な扶助(生活保護の内容)
生活保護を受けると、以下のような支援が状況に応じて提供されます:
- 生活扶助:食費・光熱費など、日常生活にかかる費用
- 住宅扶助:家賃・共益費などの支援(上限あり)
- 医療扶助:医療費が基本的に無料(保険証がなくてもOK)
- 介護扶助:介護保険サービスを無料または一部負担で利用可能
- 障害者加算・特別扶助:障害や難病のある方への加算支給
パーキンソン病患者が生活保護を申請できる条件
生活保護の申請には、「すべての財産・収入・扶養の確認」が必要ですが、以下のような状況が当てはまる方は対象となる可能性が高いです:
- パーキンソン病により就労が困難になっている
- 医療費や家賃を払うと生活が立ちゆかない
- 障害年金や手当だけでは生活が苦しい
- 預貯金がほとんどない/家族からの援助が受けられない
※年金や障害者手帳など他の支援制度を先に活用しているかも重要なポイントです。
申請の流れ
- 市区町村の福祉事務所(生活保護担当窓口)に相談
- 職員によるヒアリング(資産・収入の確認)
- 必要書類の提出
- 家庭訪問・生活状況の調査
- 審査後、支給決定(通常1〜2週間程度)
※不安な場合は、地域の社会福祉協議会や福祉専門員に同行を依頼することも可能です。
生活保護以外にも使える「補助金制度」
地域によっては、生活保護までいかなくても受けられる補助金や助成制度がある場合があります。
- 医療費助成(難病医療費)
- 通院交通費助成
- 福祉用具・住宅改修の補助
- おむつ代の補助(重度障害者)
- 日常生活用具給付制度(電動ベッド・手すり等)
これらは、市区町村の障害福祉課・高齢福祉課が窓口になっていることが多いため、相談すれば対象制度を案内してもらえます。
よくある誤解と注意点
- 「生活保護を受けると家族に迷惑がかかる?」→ 基本的に**扶養義務は“努力義務”**であり、親族に強制的な請求がいくことはありません
- 「持ち家や車があるとダメ?」→ 状況によっては認められるケースもあるため、まずは相談が大切です
- 「一度断られたらもう無理?」→ 状況が変わったときは、再申請が可能です
まとめ|一人で悩まず、相談から始めましょう
パーキンソン病は、進行とともに医療費・生活支援の必要が高まる病気です。
「生活が本当に苦しい」と感じたら、遠慮せずに支援を求めることは当然の権利です。
生活保護は決して恥ずかしいものではなく、安心して治療を受けるための大切な制度です。
まずは地域の福祉窓口に、一歩踏み出して相談してみましょう。